CNCの自作とCNCで作る工作


安定性抜群!ステッピングモーターを使ったB-ROBOT 1号機の紹介。


 今回はjjrobots社公開のB-ROBOTを国内で購入出来る部品を使って2種類完成させました。
一つはマイコンにArduino Pro Microを使用、もう一つはArduino Leonardoを使ったタイプです。
B-ROBOTの特徴は駆動モーターにステッピングモータを使っていることで、ギアーモーターのような
バックラッシュが皆無で安定したコントロールが得られることです。

 先ずは、jjrobots社B-ROBOTのページを紹介します。jjrobots社では、B-ROBOTの回路図やsketchの他、
躯体の3Dプリンターのデータまで公開されていて、部品の完成品も販売されています。

 B-ROBOTはリモコン操作にスマホやタブレットのWiFiを使いますが、完成基板のWiFiモジュールに
ESP-12Eを使用のため、電波法の関係で日本国内で使用できません。
私は、ESP-12Eに替えて日本の技術基準適合証明が付いたESP-WROOM-02を使いました。

 ここでは変更部分の回路図を掲載に留め、必要な回路図やソフトウエアーはjjrobots社HPを参照して下さい。
一つ目はPro Microを使ったムーミンをデザインした1号機です。

完成したB-ROBOTです。動画をページ末に掲載しました。


主な部品のリストと部品の説明
マイコンArduino Pro Microアマゾン:1個2492円+送料185円
ジャイロセンサー MPU-6050アマゾン:1個465円
ステッピングモータードライバ A4988アマゾン:2個セット1280円
WiFiモジュール ESP-WROOME-02 [M-09607]秋月電子:1個550円
アルミ電解コンデンサー35V100μF 2個秋月電子:1個20円
3端子レギュレータ、3.3V150mA [I-09119]秋月電子:1袋2個 100円
片面ユニバーサル基板 [P-00517]秋月電子:1個60円
Oリング1A-P67 2個モノタロウ:1個75円+税
ステッピングモーター SM-42BYG011 [P-05372]  2個秋月電子:1個1000円
基板用トグルスイッチ3P [P-00300]秋月電子:1個80円
ピンヘッダ 1X40(40P) [C-00167]秋月電子:1個35円
分割ロングピンソケット1X42(42P)[C-05779]秋月電子:1個80円
シナベニヤ公称3㎜(実際は2.8mm前後)300×300(mm)1枚
その他線材及びビス類少々

マイコンについて
 B-ROBOTでは、Arduino Leonardoが使われていますが、このマイコンはArduino uno系のATmega386チップではなく
ATmega32u4チップが搭載されています。私は小さく組むために同系統のArduino Pro Microを使いました。

WiFiモジュールについて
先にも記しましたが、ここでは国内で使える技適証明が付いたESP-WROOM-02を使いました。

ジャイロセンサーについて
ジャイロセンサーMPU-6050をソケットを介して基板に取り付けますが、取り付け穴を利用して基板に水平に固定します。

ステッピングモーターついて
 B-ROBOTでは、ステッピングモーターに定格12V仕様でステップ角1.8°の2相バイポーラ型(NEMA17)が使われています。
これに相当するのが秋月電子で購入出来るSM-42BYG011です。

ステッピングモータードライバーについて
 ステッピングモーターは普通のモーターのように電圧を加えるだけでは回転しません。そこで活躍するのがモーター
ドライバーのA4988です。
このドライバーの特徴はマイクロステップの設定がフルスッテップから1/16ステップまで選択出来ることです。
モーターのステップ角が1.8°なのでフルステップでは1回転に200ステップ、1/16ステップでは16倍の3200ステップ必要ですが、
分解能が16倍となりきめ細かな制御が可能となり、モーターの消費電流も抑えられます。
ドライバーのICチップには放熱用のアルミ製の放熱器が付属しますが、B-ROBOTの回路では放熱器が無くても温度が上がら
ないので取り付けてません。
このドライバーのモーター電源入力の入口に35V100μFのアルミ電解コンデンサーを取り付けます。

 モータードライバーの電流調整:購入時の状態では電源電圧7.5Vにて1A前後流れるので基板上のVRにて調整を行います。
調整方法:組み上がり、倒立が完成すればバッテリーとシールド基板の電源端子間に電流計を接続し、片方のモーター端子を
外して倒立を行い、この時に流れる電流を300mAに調整します。もう片方も同様に調整しますが、左右の電流値を揃えます。
次に両方のモーターを接続した状態で測定すると約500mA程度に収まると思います。元の状態より電流が半減し、モーターの
温度が殆ど上がらず、倒立動作やスピードにも影響しませんでした。

フレームの製作
何時ものように3㎜厚のシナベニヤをCNCで加工してムーミンを模ったフレームを作りました。
デザインはこの限りではありません!貴方のアイデアでオリジナルフレームを作って下さい。


木工ボンドで接着して組み立てた様子


ホイールはシナベニヤをCNCで加工して貼り合わせ、タイヤにはOリング(太さ5.7mm、外径約80mm)を使ってます。
ホイールとモーターシャフトはアクリル板をCNCで加工したHUBを使って固定しました。


ステッピングモーターとホイールを組み付た様子


回路変更によるsketchの変更について

1)オリジナル回路のマイコンをLeonardoからPro Microに替えた場合の相違点
 ①MOTOR2のモータードライバーSTEP信号7番ピンの接続先D12がPro Microに存在しないのでPro MicroのD6に変更します。
  尚、この変更によりオリジナルsketchの一部、265行目と267行目の(PORTD, 6)を(PORTD, 7)に変更、さらに557行目の
  pinMode(12, OUTPUT);をpinMode(6, OUTPUT);に変更します。
 ②バッテリーセンサーの接続先A5がPro Microに存在しないのでPro MicroのA3に変更します。
  尚、この変更によりJJROBOTSライブラリー内のJJROBOTS_BROBOT.cppの一部、92行目と94行目のanalogRead(5)を
  analogRead(3)に変更します。sketchの変更はこれ以外になく、配線に間違いなければ100%完動するはずです。
2)WiFiモジュールをESP-WROOM-02に変更に伴う回路変更
 オリジナル回路のXBEE-1B1の部分を下図のESP-WROOM-02に置き換えます。
 変換基板はユニバーサル・スルホール基板を8×9穴を残し切断し、裏側に6ピンのピンヘッダを取り付けます。
 0.5mmのスズメッキ線でESP-WROOM-02と配線しますが、先ずヘッダ側12か所にスズメッキ線の先端をループ状にして
 ハンダ付けし、約7~8mmで切断します。次に変換基板にESP-WROOM-02を動かないように両面テープ固定しますが、
 蜜着ではなく基板の切れ端等をサンドイッチ状に挟み固定します。これにより、適当な空間が出来て配線がし易く
 なります。後はスズメッキ線の先端をESP-WROOM-02の端子位置に合わせて整形、余りは切断してハンダ付けします。
 変換基板はソケットを介して取り付けますが、画像を参考にして下さい。注意:私は8ピンソケットを使ってます。
 No.36 B-ROBOT 3号機miniにプリント基板化の資料を載せましたのでご覧下さい。



 B-ROBOTには、Arduino Leonardoを使われてますが、ここでは小型マイコンPro Microとドライバーユニット、
ジャイロセンサー、WiFiモジュールを1枚のユニバーサル基板(72×47.5mm)に組み込みました。
電源には小型軽量のデジタルカメラ(CANONのLP-6Eの互換品)用7.2V約1800mAhのリチウムイオン電池を使いました。
この電池は充電をしておけば1時間くらい遊べます。

マイコンにPro Microを使った基板
 左側緑色基板上下:A4988、中央の赤色基板:Pro Micro、右側上青色基板:MPU-6050、右側下青色基板:ESP-WROOM-02は
ICピッチが異なるので変換基板を介しての取り付けてます。
WiFiモジュール用に3.3Vの電源が必要ですが、マイコンの3.3V電源は容量不足で使えないのでバッテリー電源から余裕のある
3端子レギュレター(容量150mA以上)を使って取り出します。5V電源はマイコンの5V出力が使えます。
No.36 B-ROBOT 3号機miniにプリント基板化の資料を載せましたのでご覧下さい。



使用電池について
電源には小型軽量のデジタルカメラ(CANONのLP-6Eの互換品)用7.2V約1800mAhのリチウムイオン電池を使いました。
この電池は充電をしておけば1時間以上遊べます。また、Lipo電池と違って発火の危険が少なく取り扱いも簡単です。
下の画像はデジタルカメラ用リチウムイオン電池と保護カバーを利用して出力用の電極を加工した電池ソケットです。


ソフトウエアー(sketch)について
 必要なソフトはjjrobots社のHPからリンクしたGitHubのページからライブラリーを含めた全てをダウンロードして下さい。
回路図もPDFで掲載されています。マイコンへsketchの書き込みはArduino IDEの最新版をダウンロードして行います。
コントロールに必要なスマホやタブレットのアプリ「touchOSC」は、Googleストアにて450円でダウンロード出来ます。
また、不明な事、判らない事はB-ROBOTのフォーラムが大変参考にります。

完成したB-ROBOTを動画でご覧下さい。


皆様の参考になれば幸いです。

by Paradise


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