CNCの自作とCNCで作る工作


木製ブルドーザーの製作
(この作品はオリジナルマインド社のものづくり文化展2013の最優秀賞を頂きました)
オリジナルマインド社のものづくり文化展2013のページを開きます。

何故、ブルドーザーを作ったのか?
 60歳の定年後に5年間勤めた大阪湾の埋め立て地で出会ったキャタピラー社のD6R3-LGP型湿地用 
ブルドーザーの力強さに圧倒され、何時かこのブルドーザーの模型を作ろうと思ったのです。     
 設計図が無いのでキャタピラー・ジャパン社のHPより、PDFカタログをDLして画像から寸法を
割り出しました。また、画像では見えない部分は記憶を頼りに製作したので実際と異なる所があるかと
思います。                                          

何故、木で作ったのか?

 木には金属や高分子素材にはない温かさがあります。木目を生かしインテリアとして作りましたが、
リモコン操作で本物と同じように動かせます。                         

CNCがあればこそ!

 ブルドーザーを作るには通常キャタビラなどと呼ばれる無限軌道(Crawler)を構成するトラックリンク
のチェンや履板(shoe)を正確に同じモノを複数作る必要があります。ここで威力を発揮するのがCNC
フライス盤です。CNCが無かったら作れなかったと思います。                   

製作過程の画像と説明

CNCを使って無限軌道のチェンを切削中
4㎜厚のシナベニヤ合板を使用

ローラーチェンの組み立て中
白いパイプはABS樹脂製のローラーです

湿地用履板(シュー)の3次元切削中
寸法切りしたトガ材を1枚づつ切削しました

出来上がったシューの山
オイルスティンで色付けします

木製チェンとシュー
組み付け前の状態

シューを木製チェンにボンドで接着中
爪楊枝を木釘に使って強度アップ

台車の型を切り抜き中
4㎜厚のシナベニヤ合板を使用

トラックリンクの組み立て
台車にはローラーを組み込み済み

メインドライブのスプロケットギアーも
CNCで加工しました。シャフトは6㎜の真鍮製

メインドライブのスプロケットギアーを
組み付けてトラックリンクが完成

手前のトラックリンクにはブレードの
リフト用モーターとカム機構を組み込み済

木製車体も4㎜厚のシナベニヤ合板を使用
材料のカットは全てCNCで行いました

車体の製作中画像がありませんが
各部の様子をご覧ください

車体下部とエンジンルームは一体として
作り、車体後部に動力部を設置しました

上から見た状態ですが、動力部はタミヤの
ツインモーターギアボックスを使用

車体に木製キャビンを載せた状態です
窓ガラスには2ミリのアクリル板を使用

木製の車体にトラックリンクを組み付けます
取り付けは木製ピンで行い、分解が容易です

最後に排土板(ブレード)を取り付けて
組み立てが完了です

完成したワイヤーリモコン方式の
ブルドーザーです

リモコンの配線が長く、電圧ドロップが
起きてトルクが不足気味なので改良

アクリル板をCNCで加工して1/2減速ギアを
製作、これでトルクが増して力強く走行する!

完成したワイヤーリモコン方式の木製ブルドーザー、動画でご覧下さい。
ワイヤーリモコンをワイヤーレスに変更する

ワイヤレス化には赤外線リモコンとラジコンの両方を実験したが、超小型の送受信機を入手したのでラジコン方式としました。

Webで購入の微小電力超小型送信機と
受信ユニットのテスト回路。因みに送信機と
受信ユニットは共に500円でした。  

送信機を分解して基板を取り出します
右側がスイッチの裏側でDiマトリックス回路
を汎用基板に手配線しました

スイッチ基板と送信機を接続した後
木製ケースに組み込みます
ケースはマッチ箱より少し大きめ  

送信部基本回路
PTC社のPT2264エンコードIC搭載
送信器はRXモジュールの簡単な回路

市販の送信機はボタンが4個なので
最大16個に増やせる増設回路を考案
今回必要な9個のボタンを設定  

受信ユニット:搭載ICはモーメンタリー
タイプですがラッチタイプと交換すると
次のボタンを押すまで保持が可能  

受信ユニットと同等回路図
送受信共にICのアドレスを256通り設定
出来るので複数台同時使用が可能です  

左上の基板が受信デコーダー部
右回路図参照  

受信デコーダー部の回路図
エンコーダICとDiマトリックスと
出力反転用ICだけの簡単な回路です

DCモーター制御用ICが電圧降下が激しく
昔ながらのリレー回路でDCモーターの反転
回路を組みました。右上画像の下部基板  

ブルドーザーのキャビン内に組み込んだ
受信部と駆動用モーター制御部

裏側にはモーター用と制御用電池と
電圧変換用のIC基板を設置  

今回使用したラジコン用送受信機の電波到達距離は20メートル程度ですが、他にも面白い用途に使えると思います。皆さん工夫を!

完成したラジコン・ブルドーザーを動画でご覧ください。


最後までご覧頂き有難うございました。
by Paradise


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