CNCの自作とCNCで作る工作



No.45の「Mach3でCNCレーザーカッター」で紹介しました
ミニレーザーカッターのワークエリアを拡大して専用機に改造しました

(2018年5月19日)


改造の元になったミニ・レーザー彫刻機AS-5です
 中国製の15W半導体レーザーのセットAS-5を購入したが、ワークエリアが狭く更に付属ソフトが使い難いので
レーザーユニットのみをCNCフライス盤に取り付けてMach3で動かしてましたが、レーザー専用機に改造しました。


ワークエリアを拡大したレーザーカッターの機構部
構造材のEU規格V-Slotアルミプロファイルを長さ500ミリに置き換えてワークエリアを約350×350ミリに拡大しました。
これを約600×600ミリ合板の上に組付けました。レーザー光線の輻射光や反射光から眼を守る遮光用カバーを被せて使用します。


コントロール基板とモータドライブ基板
 CNCコントロールソフト「Mach3」を使って動かすため、以前に買ってあったUSBモーションコントローラー「RnR」を
使い、ユニバーサル基板にドライバーICを組み込んだ簡単なモータードライブ回路を制御してます。



コントロール基板とモータドライブの回路図と回路の説明
 USBモーションコントローラー「RnR」は中国製のクローン品のようですが、少しの改造で何とか動かすことが出来ました。
このボードは4軸を制御出来ますが、XとY軸のパルス信号とDIR信号及びZ軸のDIR信号のみを使いますが、イネーブル信号が
出ていないので、基板を少し改造してイネーブル信号を作りました。
 モータードライブ回路は安価なモータードライバーIC「A4988」をX軸とY軸に使いました。基板内には、レーザー出力の
PWM制御用にArduino Mini Proを組み込みました。パネルに取り付けた電圧・電流計を目安にVRのツマミを回して調節します。
 この他、パネルには緊急停止(E-STOP)スイッチを設けました。また、動作中は遮光カバーを閉じるために内部の動きが
見えません。このため、パネルに設けたLEDによってレーザー照射の様子が判るようにしました。


遮光ケースの蓋を開けたところ
 遮光ケースは軽量化のため、12ミリ角檜材の骨格にプラスチック段ボール(プラダン)を両面テープで貼り付ける構造にしました。
また、外観を白とブルーのツートンカラーにしましたが、レーザー光線が透過しないように内側には黒のプラダンを貼り付けてます。
 遮光ケースはベースの合板と4本のビスで固定してあり、修理や点検の時には容易に着脱できる構造としました。


横から見たところ


レーザーユニットとエアーポンプの取り付状況
 レーザーユニットは元の固定式から蝶ネジを緩めると上下にスライドする方法に改良し、素材の厚さ合わせて焦点距離を
調整する方法を採りました。
レーザーユニットの右上はDC12V仕様のエアーポンプです。レーザー光線照射口の焦点レンズの前にノズルを設け、ノズル内の
内圧を上げて煙や飛沫の侵入を防ぎ、レンズの汚れを防いでいます。詳細はNo.45を参照してください。


合板にライオンのイラストを描いた例です
切り絵などの細かい切り抜きの場合は素材の上にガラス板を置いて飛び散るのを防いでます。
しかし、ガラスの種類によっては、半導体レーザーでも表面に傷が付く場合があります。



斜め左方向から見たところ
操作パネルと左横手前がインターフェースパネル(USB端子とDC電源ソケット)と吸気口が見えます。


背面には排気用のファン(PCケース用のお古)を設けています



RnR モーションコントローラーを動かすためのMach3の設定例
    先ずMach3ツールバーのConfigを開き、Ports and pinsを選択すると
Engine Configretion...Ports &Pinsが開きます。

以下の設定を変更した場合は必ず適用(A)ボタンを押します。

①Port Setup and Axis Selection画面ではKernel Speedのラジオボックスの100khzを選択します。
必ずシリアルポートのPort #1&Port#2のPort Enabledのチェックを外しておきます。


②次にMotor Outputを選択し、画像のように設定項目にチェックを入れます。


③次にInput Signalsを選択し、画像のように設定項目にチェックを入れます。RnRでは、Port#は3です。


④次にOutput Signalsを選択し、画像のように設定項目にチェックを入れます。


⑤次にSpindle Setupを選択し、画像のようにRelay ControlのClockwise(M3) Output#に4を入力します。
今回はCCW(M4)を使わないのでRnRのOutput#範囲外の6を入力してます。


 最後にRnRコントロールボードに付属のプラグインファイル RnRMotion.dllをPCのMach3フォルダー下の
Pluginsフォルダーにコピーします。
 プラグインの確認は、Config⇒Config Pluginsを順に開き、Plugin Control and Activation画面にて
RnRMotionControllseECO-V2.0が表示したらEnabledをチェックします。
Pligin Name後ろの黄色く表示されたCONFIGを開くとその内容が見れるので確認します。
  
以上でコントロールソフトMach3の設定は終了です。

スライドショーにまとめてYouTubeにUPしました。




今回の改造でテストしたGRBLコントロール・ソフトについて
 補足ですが、このレーザーカッターをMach3とUSBモーションコントローラー「RnR」を使う前にオープンソースの
GRBL1.1コントローラーとその操作支援ソフトbCNCを試しました。
 GRBLは簡単なコントロールボードを自作する事により、レーザーカッターをハード的に問題なく動かせましたが、
CAMソフトCut2Dにて自動生成したGコードに対してエラーが出る不都合があり、その都度修正する必要があったので
使い慣れたMach3に戻しました。しかし、GRBLはとても良いソフトなので今後の進化を期待したいと思います。

GRBL用にArduinoNANOとモータードライバーA4988を使ったコントロールボード



最後までご覧頂き有難うございました。
以上、皆さまのご参考になれば幸いです。

by Paradise

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