CNCの自作とCNCで作る工作


手のひらに載る超音波自律走行・超小型無限軌道車の製作
(画像をクリックすると大きいサイズの画像が別ウインドで開きます)


マイクロサーボモーターSG90を連続回転に改造し、駆動用モーターに使った超小型の無限軌道車を作りました。
今回の作品はアクリル板をCNCフライス盤を使いフレームやローラーを作り、クローラーにはOリングを使った
簡単な構造です。 小さなサーボモーターに直接ローラを付けると負担が大きいのでフレームを強固に作り、
サーボモータには回転以外の負荷が掛からない構造としました。 サイズL10cm、W7cm、H9cm
この作品は超音波センサーを用いた自律走行とテレビ用の赤外線リモコンを使った手動運転が出来ます。

部品リスト
購入部品
AVRマイコン ATmega328P1個
16MHz水晶発振子1個
マイクロサーボ SG90 3個秋月電子:1個400円
超音波センサーHC-SR041個
クローラー用Oリング 1AP-65 線径5.7mmリング内径64.6㎜ヨドバシカメラ:2個696円
シャープ赤外線受信モジュール GP1UXC41個
ユニバーサル基板1枚
ニッケル水素充電池単4型4個
単4型電池ボックス4個用1個
基板用トグルスイッチ3P1個
基板用丸型M3スペーサー(外径6mm)10mm×4個
アクリル板公称5㎜(実際は5mm前後)200×300(mm)1枚
アクリル板公称2㎜(実際は2mm前後)200×300(mm)1枚
表示用3mmLED3個
その他CR類及び線材、インシュロックタイなど少々

製作の手順

1)マイクロサーボモーターの改造
マイクロサーボモーターSG90を連続回転にするための簡単な改造が必要です。
 自己責任でお願いします。初めての方は写真を撮りながら進めて下さい。
①先ず、銘板と検査シールを剥がし、サーボモーター本体裏側の4本のネジを外すと本体が三つに分かれます。
②上部カバーを外すと4個のプラスティックギアが見えますが、ギアの位置を覚えておきます。良く似たギアがありますが、ポテンションメーター
 のシャフトとカウンターシャフトは太さが異なり、ギアのピッチも異なるので間違うことは無いと思います。
 ファイナルギア(サーボホーンの付くギア)は、ポテンションメーターのシャフト上部に固定されていますが、ギアを強く回すと簡単に外れます。
③ファイナルギア下側付いてるストッパー用突起をニッパー等で切り取り、バリも取り除き綺麗に仕上げます。
 
④ポテンションメーターのシャフトとファイナルギアが軽く回るようにギアの内径を少し広げます。
 1.4mm径のドリルが有れば簡単に広げられるが、ポテンションメーターのシャフト先端部をヤスリとペーパーで少し細くする方法もあります。
 何れの場合もファイナルギアを固定するためにシャフト先端に付けられた傷を修正する必要が有ります。
⑤今度はマイコン等の信号源からサーボ角度が中央90°の停止信号を入力し、モーターの回転が停止する位置にポテンションメーター
 の角度を合わせます。この作業を正確に行わないと停止時にどちらかの方向へ少し回転するので注意が必要です。
 ポテンションメーターの位置が決まれば、瞬間接着剤などでポテンションメーターが動かないように固定します。
 (この作業はモーターに信号を入力後2分程経過し、モーターが安定してから行います。電源投入後は不安定です)
 この調整が面倒な方は、ポテンションメーターを5KΩのを半固定VRに置き換えて外付けにすると、外から微妙な調整が簡単に出来ます。
⑥次に上部のギアを元通りに組み付け、(グリスの塗布を忘れずに)上下のカバーを4本のネジで締めれば完成です。

2)フレームとローラーの製作
公称5mm、実寸5.2mm厚アクリル板をCNCで切削
(この画像は実寸ではありません。DXFファイルは「こちら」


ローラー内輪図 公称5mm厚アクリル板をCNCで切削します。
(この画像は実寸ではありません。DXFファイルは「こちら」
外径34㎜、センター内径6.1㎜、小さい穴径4個は内径2.2㎜、大きい穴4個は内径6㎜(内輪合計4個)



ローラー外輪図 公称2mm厚アクリル板をCNCで切削します。
(この画像は実寸ではありません。DXFファイルは「こちら」
外径38㎜、センター内径6.1㎜、小さい穴径は2.2㎜、大きい穴4個は6㎜(外輪合計8個)

注意:内輪と外輪はアクリル用接着剤、アクリルサンデー等を使って接着しますが、接着前にセンターがずれない様に
センター穴に基板用丸スペーサーを挿入し、大きい穴4箇所にM6のボルト・ナットで借り固定します。


フレームとローラーの組み込み図
フレームのローラー取り付け穴は2.5mmの下穴にM3タップを切ってます。



フレームとローラーとモーターの配置図
駆動輪にサーボモーターの動力を伝えるために、サーボモータ付属のサーボホーンを使いました。
一文字タイプの左右5穴の真ん中の穴を2㎜のドリルで広げ、M2×15のボルトナットで固定します。
この2㎜のボルト先端が、ローラーの小さい穴2.2㎜の対角に入ります。(画像右下参照)



製作は画像を参考に現物合わせで行って下さい。
モーターを固定するため、アクリル板にインシュロックタイと両面テープを使ってモーターを留めてます。



フレームにマイコン基板と超音波センサー用サーボモーターを載せるアクリル板を設置
この部分はマイコン基板の寸法や形状が異なるので現物に会わせて作る必要があります。



マイコン基板に接続した超音波センサーとサーボモーター
今回はスペースの関係でサーボモーターとUSB端子以外はコネクターを使わずに直付けしました。



マイコン基板の上に電池ボックスを載せるアクリル板を設置


完成した超小型超音波自律走行無限軌道車


3)マイコン基板の製作
基板の回路図
私は、形や大きさを自由にデザイン出来るユニーバーサル基板を使いましたが、自作が苦手な方は
超小型Arduino nano互換機が、通販で1000円前後で入手できる時代なのでこれを使う方法があります。



4)使用する赤外線リモコンについて
赤外線リモコンの送信機には色々ありますが、ここで使用するのに都合が良いリモコンは、
テレビ用のリモコンです。しかし、メーカーや機種によっては使えないものがあります。
下記のsketchをArduinoIDEにコピーして手持ちのリモコン送信機が使えるかCODEの受信テストを行います。
このsketchでは、赤外線受信モジュールの入力ピンを6番としてますが適当に変更が可能です。
押されたボタンに対応した受信CODEがシリアルモニターに表示されます。
尚、ここではボタンが押されてる間、連続して同じCODEが出力するタイプの送信機が必要です。
用意するもの:赤外線リモコン送信機、Arduino uno等、赤外線受信モジュール、ブレッドボードなど
#include  // use the library
int receiver = 6; // pin 1 of IR receiver to Arduino digital pin 6
IRrecv irrecv(receiver); // create instance of 'irrecv'
decode_results results;
void setup()
{
  Serial.begin(9600); // for serial monitor output
  irrecv.enableIRIn(); // Start the receiver
}
void loop()
{
  if (irrecv.decode(&results)) // have we received an IR signal?
  {
    Serial.println(results.value, HEX); // display it on serial monitor in hexadecimal
    irrecv.resume(); // receive the next value
  }  // Your loop can do other things while waiting for an IR command
}

5)ソフトウエア(Arduino sketch)について
注釈を付けて次のページに掲載しました。  sketchのページへ移動します。
何せ、スケッチは素人なので完全ではありません。間違いやアドバイスがあればお知らせ下さい。

ご注意
このスケッチを丸ごとコピーするだけでは再現できません。機体に合わせた設定値の変更が必要です。

完成した超小型自律走行無限軌道車の動画をご覧下さい。



皆様の参考になれば幸いです。

by Paradise


MENUへ戻ります。



inserted by FC2 system