CNCの自作とCNCで作る工作


Theo Jansen Mechanism series 第3弾
2015年7月16日改頁:CNCでアクリル板を加工して作るBEEST
先ずは基本形を作りますが、風力(風車)、モーター駆動、ソーラー等にも応用出来ます。
写真や図はクリックすると拡大して見れます。
 テオ・ヤンセン氏の設計思想は、モーターや他の動力を使ってクランク軸を駆動するのではなく、本体に
自然の風を受けて動かすことです。この思想からすると先に記したWIND BEESTやRC BEESTは邪道だと
思い、基本に戻ってテストを行いました。

No.23:WIND BEESTの編集後記で記したことの実証を目的にアクリル板を加工して3作目を作りました。
テストの結果、本体に少しの力を加えるだけで滑らかに歩むことが判り、テオ・ヤンセン氏の設計が
如何に凄いか体感しました。


1)材料リスト(何れもホームセンターで入手出来ます)
公称2㎜厚アクリル板300X225(mm) 4枚、又は600X450(mm) 1枚
(私は手持ちの透明板を使いましたが、新たに購入される方は
半透明のカラー板の方が美しいです)
公称5㎜厚アクリル板200X100(mm) 1枚
2㎜径真鍮丸棒(A)1m 1本
3㎜径真鍮丸棒1m 1本
3㎜径真アルミパイプ(B)30cm 1本
5㎜径ABS丸パイプ1m 1本
M2X15mmボルト・ナット各60個
M3X18mmボルト・ナット各8個
M3X70mmボルト・ナット各2個

2)各パーツの切削加工
先ずは、今回使用したTheo Jansen Mechanismの概略図(脚一対分)を示します。
実寸ではありませんが、クリックすると拡大画面が開きます。

今回は本体に2㎜厚のアクリル板をCNC加工し、6対12脚をクランク角120°で動かします。
この結果、4対8脚ではぎこちなかった歩みが僅かな力により、滑らかな歩みが実現しました。
以下に、概略図と切削データ(DXF形式をzip)を添付して作り方を説明します。

切削する各パーツのリスト(2㎜厚アクリル板:225X300㎜を使用)
(この画像は実寸ではありません。テータファイルは「こちら」
実寸ではありませんが、クリックすると拡大画面が開きます。(同じパーツを必要個数製作します)


では参考に、実際の切削例の画像(実寸ではありません)とデータファイルを参考に示します。
(注意:使用するCNCのワーク範囲が小さい場合、並べ替えする必要が有ります)
データファイルは「こちら」
データファイルは「こちら」

データファイルは「こちら」


データファイルは「こちら」


5mm厚アクリル板のデータファイルは「こちら」


クランクとセットカラーの切削加工について
クランクの2mmの穴は貫通ではなく深さを4mmとし、1mm残します。
また、下図のように2.5mm下穴にM3のネジ切り加工を行い、イモネジでシャフトに固定します。


3)各パーツの準備と組み立て
1. 組み立て前の準備
  各パーツの切削加工やバリ取りなどが終われば、似た部品が多いので間違わないように小分けしておきます。
次に組み立てに必要なスペーサーやクランクのシャフトを加工しますが、使用するアクリル板の厚みにより
寸法が異なるので、組み立て図に記した寸法を目安とし、現物合わせで加工します。

①φ2真鍮丸棒(図面の赤A印)約30㎝と少し長めにカットしておき、組み上がった段階で余った分をカットします。
 φ3アルミパイプ(図面の赤B印)も上記同様です。
②スペーサの加工
 ホームセンターで入手出来る外径5mmのABS丸パイプを所定の長さにカットしますが、印を付けた所に
 カッターナイフを当て、前後に何回か転がせば簡単に折ることが出来ます。端面をヤスリ等で綺麗に仕上げます。
③クランクシャフトの加工
 φ2mm、φ3㎜真鍮丸棒を必要寸法にカットします。(どちらもペンチで切れますが、少し長めに切断し端面を
 ヤスリ等で綺麗に仕上げます)
2. 一脚分の組み立て図
この図を参考に12脚分組み立てますが、判りやすいように隣同士の間隔を広げて描いています。
M2x15mmのボルト・ナットを使って組みますが、動きが堅くならない程度に締め付けます。
また、オイルの塗布も忘れずに行い、ナットが緩まないようにロックタイト等で緩み止めを行います。


3. 左半分の組み立て図
  左半分だけの図ですが、左右対称なので右側も同様です。左右が完成したら隣接のクランク角度を120°ずらし
シャフトにクランクをロックネジ(イモネジ)を使って固定します。中央のスペースは後に変更が効くように余裕を
持って幅を65mmとしました。この寸法だとタミヤのダブルギヤボックスが置けるので電動リモコン化も可能です。


以上の作業でテオヤンセン・メカニズムの基本型が完成です。後はどのように動かすかは貴方次第です。
Arduinoを使い赤外線リモコンで動かすタイプや超音波自律歩行、ソーラーパネルを付ける等遊び方色々です。
CNCで作る工作ページのNo.22、23、25を参考に工夫して下さい。

完成した作品の動画をご覧下さい。


以下、2014.09.27記
   その後、帆を付けてテストしましたが、本体と帆の大きさが難しく、帆が小さいと動かず、大きく
するとバランスが悪くて転倒するなど、この大きさでは無理だと判りました。
結局、風向きに関係なく進むサボニウス型風車を付けて動かすことにしました。

サボニウス型風車を付ける。
 タミヤのNo.188 ミニモータ標準ギヤボックス(8速)を中央スペースに設置し、モーターを取り外して
サボニウス型風車を取り付けたのが下の画像です。(サボニウス風車はNo.22を参照して下さい)
精度が良い小型のウォームギアを使う方法等もありがすが、設置方法は各自で工夫して下さい。



扇風機に向かって進む動画をご覧下さい。


皆様の参考になれば幸いです。

by Paradise


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