CNCの自作とCNCで作る工作


木製Zip Chain Actuatorの製作

正面:木製のジップチェーンを透明アクリル板を使ったフレームに組み込み特徴的な動きが見れます。


 私とZip Chainの出会いはテレビ東京系の人気番組、カンブリア宮殿2016年3月31日放送にローラーチェーンの
トップメーカー椿本チエインの長会長が出演されました。番組の中で照会されたZip Chain Actuatorを開発された
技術者の発想が素晴らしくて感銘、そこで何時ものように木製チェーンのスケルトンモデルを作ってみました。

 ハンドルを回して動かすだけでは面白くないので、DCモーターをマイコン内蔵WiFiモジュールESP8266を使い
スマホから遠隔操作が出来るようにしました。IoT(物のインターネット)を実践しています。


ジップチエーンアクチュエーターとは
 普通のローラーチェンはスプロケットギア―に沿って滑らかに円弧を描いて周りますが、単体ではくにゃくにゃと
方向を変えます。ジップチェーンはリンクプレートをカギ状に加工して対向する二組のチェーンを隙間なく噛み合わす
ことで折れ曲がらない柱状となります。このため、油圧シリンダーや空気シリンダーのような伸縮が出来ます。
 また、シリンダー式の場合はピストンロッドの伸縮長に対してそれ以上の長さのシリンダーが必要ですが、ジップ
チエーンの場合はチェーンを折り曲げて収納するので設置高を低く出来る特徴があります。
実物の説明は椿本チエインのホームページをご覧ください。


下の写真のように、噛み合ってない部分は自由に曲がりますが、噛み合った部分は柱状となります。


全て噛み合うと一本の柱状になります。


後面:駆動モーター、制御基板、ロータリーエンコーダーなどを配置。
木製の場合、精度の関係で片方のスプロケットギヤーのみのモーター駆動は、上下運動時に左右にこじる力が
働いて動きが重くなります。そこで対策として1対1のギアーを介して両方のスプロケットへ均等に動力が加わる
ようにしました。


機構略図
台座の大きさが長辺820㎜、短辺150㎜、ジップチェーンの長さが700㎜です。


ジップチエーンのリンクプレート
厚さ3㎜のシナベニヤをCNCで加工しました。(外側穴径4.0mm、内側穴径4.1mmの違いのみで外形は同じです)
これを合計160個作り、長さ49㎜、φ4㎜のラミン丸棒にABS樹脂のローラーを被せてます。


駆動用モーターと制御基板、WiFiモジュールESP8266を使ったのでスッキリ纏まりました。


今回はモータードライバーに持ち合わせの既製品を使いました。


小さな基板二つは透過型フォトインタラプタを使った上下限のリミットスイッチです。


ジップチェーンを引き抜いた状態なのでスプロケットの様子が判ると思います。


ロータリーエンコーダーを取り付け、プリセット設定を可能にしました。


ジップチェーンを最大に伸ばした状態です。


9月23日:ギアーモーターを小型に変更
先に使った手持ちのギアーモーターはオーバースペックだったので、新しく小型の
ギアーモーターを購入して交換。これに合わせてモータードライブ回路も少し変更しました。


この変更により、台座の内側にすっぽり収まり、見栄えも良くなりました。


TouchOSCアプリを使ったスマホ操作画面の説明

 左の写真がスマホの画面です

 初期状態では、MODEがUP-DOWNコントロールの
 状態です。
 UPボタンとDOWNボタンはプッシュボタンです。
 UPボタンを押し続けるとジップチェーンが上昇し、
 上限まで上がると自動停止します。
 DOWNボタンを押し続けると下降し、下限まで降りる
 と自動停止します。

 MODEボタンはトグルスイッチです。
 MODEボタンを押すとボタン中央点灯してスライダー
 コントロールモードとなります。
 スライダー内をタップしながら上下にスライドすると
 指の位置に応じて上下に移動します。

 または、単にスライダー内をタップするだけでも
 その位置まで移動します。
 右側の%表示は目安として付けました。

 TouchOSCアプリはandroid系スマホやiPhoneにも
 使える便利なアプリです。

動画をご覧下さい。


最後になりましたが、WiFiモジュールには技適証明が付いたESP-WROOM-02をお使い下さい。

皆様の参考になれば幸いです。

by Paradise


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