トップへ > 目次 1.集中定数と分布定数 一般の高周波関係の書籍では、先ず集中定数回路と分布定数回路の違いから入るのが 普通でしょう。この回路教室は行き当たりばったりでテーマを決めていますので、スミ スチャートの説明が先になってしまいました。 T.1項の「はじめに」でもちょっと説明しましたが、取り扱う信号の周波数が高く なると、配線の長さが信号の波長に対して無視できないものになってきます。それでは どこまでが集中定数回路で、どこからが分布定数回路なのか?その違いは? 集中定数と分布定数の明確な境目なんてものはありません。部品を置く位置,配線の 長さ・幅によって、回路の特性・性能が大きく変わってしまうようになったら、取り扱 う周波数に関わらず、その回路は分布定数回路として捉えなければなりません。例えば、 もし長さ 1500kmの送電線があって、50Hzで送電を行っていたとしたら?送電線上を光 速で電力が伝達されるとしたら、1波長が約6000kmになりますから、送電端と受電端で は位相が90°違います。これも分布定数回路の一種です。 集中定数回路は、分布定数回路の特殊な場合(近似が可能な)です。集中定数回路の 特殊な場合が分布定数回路なのではありません。 集合で表わせば、集中定数と分布定数の関係は、図3−1のようになります。図3−1 集中定数と分布定数の関係 2.マイクロストリップ・ライン