高周波回路教室 ミキサ

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 1.ミキサはなぜ必要なのか

   数百MHz以上の高周波信号に直接データを載せたり(変調)、逆に直接データを取り
  出したりする(復調)のは、回路設計も大変で、製品コストも高くなります。また、受
  信した微弱な信号を、復調可能なレベルまで、高周波帯で増幅するには、コストのかか
  るアンプを何段も用意しなければなりません。そのため一般には、送受信する周波数よ
  りもかなり低い(一桁程度低い)周波数の信号でも利得を稼ぎ、変復調操作も行います。

   ※ 送受信信号と低周波のデータ信号との中間に位置するこの信号をIF
       (中間周波:Intermediate Frequency)信号と呼びます。

   送信回路では、変調されてデータの載ったIF信号を、送信周波数まで引き上げなけれ
  ばなりません。また受信回路では、復調を行うために受信信号をIF信号の周波数まで引
  き下げなければなりません。この引き上げ・引き下げ操作は、周波数変換を行うことで
  あり、その変換を行うのがミキサです(図1)。それでは、ミキサの“混ぜる”という
  ことと、周波数変換による周波数の“引き上げ”,“引き下げ”がどうつながるのか見
  てみましょう。


          

            図8−1 ミキサ


   ※ 最近、高周波回路のIC化が急速に進み、IC化に適した回路方式が増えています。
    例えば、IF信号を用いないで、直接高周波信号に変復調を行うダイレクトコンバー
    ジョン方式や、非常に低いIF信号を用いる低IF方式などがあります。

  
 2.信号を”混ぜる”とは?