トップへ > 目次 1.ショットキ・バリア・ダイオード(SBD) 検波回路は、非線形特性を有する様々な素子によって構成することが出来ますが、一 般に良く使用され、入手し易いのはショットキ・バリア・ダイオードです。 ショットキ・バリア・ダイオードには、一般のダイオードと大きく異なった点があり ます。一般のダイオードはP型とN型の半導体(PN接合)からできていますが、ショット キ・バリア・ダイオードは金属と半導体との接触からできています。 特性としては、PN接合と同様に整流特性を示しますが、内部をちょっと覗いてみると、 ここにも大きな違いがあります。PN接合のダイオードでは、多数キャリアと少数キャリ アによって電荷が運ばれますが、ショットキ・バリア・ダイオードには多数キャリアし かありません。このため、非常に高速な動作が可能になり、高周波領域での使用にも適 したものになっています。 ショットキ・バリア・ダイオードの特性で目に付くのは、逆方向電圧と順方向電圧の 低さです。逆方向電圧は一般のPN接合ダイオードより1桁程低く、順方向電圧は半分程 度しかありません。 図9−1に高周波での等価回路を示します。直列抵抗Rs,非線形接合抵抗Rj,非線型 接合容量Cjからなっています。検波回路,ミキサでの使用には、直列抵抗と接合容量の 低いことが望まれます。図9−1 ショットキ・バリア・ダイオード等価回路 それでは、ショットキ・バリア・ダイオードを使用した検波回路を見て行きましょう。 2.検波回路の基本的な構成