
トップへ
目次
1.はじめに
2.スミスチャート
さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたので、そろそろスミスチャートの話に
移ろうと思います。電気関係の本でスミスチャートを調べると、「Z平面のR≧0の範
囲のR=一定,X=一定の直線群をΓ平面に写像した図表・・・」といった説明が書か
れていると思います。直交座標系を丸い変な図表に写像しただけじゃないかと思われる
かもしれませんが、これがインピーダンス変換に非常に有用なのです。スミスチャート
を使えば、面倒な計算をしなくてもインピーダンス変換を幾何学的に求めることが出来
ます。
スミスチャートはインピーダンスと反射係数との関係を図表化したもので、直列回路
(素子)の取り扱いに適しています。並列回路(素子)を取り扱う場合にはアドミタン
スで考えたほうが簡単です。アドミタンスと反射係数との関係を図表化したものをアド
ミタンスチャートと呼びます。さらに、スミスチャートとアドミタンスチャートを重ね
合わせて書いたものをイミタンスチャートと呼びます。
チャート上では、インピーダンス(またはアドミタンス)を基準となる特性インピー
ダンスで正規化して表示します。ここで扱う周波数帯では、ほとんどの場合特性インピ
ーダンス50Ωを基準としています。
( 例 25+j10 Ω → 0.5+j0.2 )
Z平面からの写像等、スミスチャートの細かい説明は文献を読んでもらうとして、こ
こではスミスチャート上でのインピーダンス軌跡の動きを見てみます。
3.インピーダンス軌跡の動き