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目次
1.集中定数と分布定数
2.マイクロストリップ・ライン
3.マイクロストリップの回路
皆さんはマイクロストリップ・ラインを使った高周波・マイクロ波回路基板を見たこ
とがありますか?身近な物では、BS,CSのコンバータ(下図参照)の中に十数GHz
の信号を扱う実際の基板を見ることが出来ます。もし不用になった受信アンテナがあっ
たら分解してみてください。アンプ,フィルター,ミキサー,局部発振回路を見ること
が出来ます。
図3−3 BSアンテナ
分布定数回路では、ラインの幅,長さ,配置,組み合わせ等によって様々な素子と回
路を形成します。マイクロストリップ回路で使われる、様々な形の素子,回路の内の幾
つかを下図にしめします。
図3−4 マイクロストリップ回路
<各回路の簡単な説明>
(a)OPEN Stub(オープン・スタブ)
スタブの長さLが、L<1/4波長の範囲ではキャパシタとして、1/4波長<L<
1/2波長の範囲ではインダクタとして機能します。
(b)SHORT Stub(ショート・スタブ)
スタブの長さLが、L<1/4波長の範囲ではインダクタとして、1/4波長<L<
1/2波長の範囲ではキャパシタとして機能します。
(c)Coupler(カップラー)
信号の分配,モニター等様々な所で使用されます。ライン間隔でカップリング
(結合度)の調整を行います。カップリング部分の長さを中心周波数の1/4波
長にした物が最も基本的な構成です。
(d)Hybrid(ハイブリッド)
信号の分配(等分配できる),合成に使われます。他の素子と組み合わせて、
いろいろな機能回路を実現できます。(例えば、PINダイオードと組み合わせ
て移相器を構成)
(e)Power Divider(Splitter), Combiner
信号の分配(等分配,不等分配),合成に使われます。高出力を得る為にPA
(パワーアンプ)を並列接続する場合に、入力信号の分配と出力信号の合成によ
く使われます。
(f)Parallel Coupler BPF
(c)のCouplerを複数縦続接続して構成されています。数GHzとい
った低い周波数では、形状が大きくなりすぎる為にあまり使われません。
(BS,CSコンバータの基板で見ることが出来るかもしれません)
☆ ここで紹介した回路やその他の様々な回路の解説を、W.から開始する予定です ☆
4.集中定数部品(チップ部品)の限界