トップへ 目次 1.PINダイオード 2.スイッチ 3.移相器 4.アッテネータ (1)固定アッテネータ (2)可変アッテネータ ここでは減衰量をアナログ的に連続可変できるアッテネータについて、その回路構成 と動作を調べてみましょう。スイッチで切り替える方式は、固定アッテネータとスイッ チの組合せなので説明の必要はないでしょう。(注意点を1つ挙げるとすれば、減衰量 が大きなアッテネータとラインを切り替える場合、スイッチのアイソレーションは減衰 量よりも十分に大きくなければなりません) まず、連続可変できるアッテネータを実現する為には、DCバイアスで抵抗値をコン トロールできる半導体が必要になります。PINダイオードの順方向抵抗成分は、DC バイアス電流によってコントロールすることが可能です。MESFETのドレイン・ソ ース間の抵抗成分は、ゲートのバイアス電圧によってコントロールできます。この2つ の半導体素子が可変アッテネータによく使われています。 (時間があれば色々な半導体の特性を調べてみて下さい) さて、連続可変できるアッテネータの回路構成はどうしましょうか?T型,π型回路 の場合、半導体が3つ必要になります。T型,π型の他に、使う半導体の数が少なくて 済むアッテネータ回路はないのでしょうか。。。 あります! ブリッジT型という回 路があります。その回路構成を図5−52に示します。各抵抗の値は次式で求めること ができます。図5−52 ブリッジT型アッテネータ 例えば3dBのアッテネータは、 (Zo=50Ω) R1=20.6Ω,R2=121.2Ω PINダイオードを使ったブリッジT型可変アッテネータの回路例を図5−53に示し ます。減衰量を小さくする場合には、D1の電流を大きくしD2の電流を小さくします。 逆に減衰量を大きくする場合には、D1の電流を小さくしD2の電流を大きくします。 この回路の場合、D1,D2の電流は共通の負荷抵抗R2を流れます。V2を大きくし てD2の電流を増やすと、R2での電圧降下が大きくなり、D1の電流が減少します。 逆にV2を小さくすれば、D2の電流は減り、D1の電流は増えます。V2を変化させ た時にD1,D2の抵抗性分が所望の値になるように、R1〜R3の抵抗値を決めます。 この回路の利点は、コントロールするものが1つで済むという点です。もしR1,R2 が大きければ(数kΩ)、チョークコイルのL1,L2は削除することも可能です。
図5−53 ブリッジT型可変アッテネータ 「コントロール回路」はこれで一旦終わりにして次のテーマに移りたいと思います。