高周波回路教室 ミキサ

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 目次
 1.ミキサはなぜ必要なのか
 2.信号を”混ぜる”とは?
 3.パッシブ・ミキサ
 4.DBM

 5.アクティブ・ミキサ

   アクティブ・ミキサは能動素子を用いますので、周波数変換を行うのと同時に、増幅
  も行えます。パッシブ・ミキサでは変換損失(Conversion Loss)を伴いましたが、ア
  クティブ・ミキサでは変換利得(Conversion Gain)を得ることが出来ます。
   またアクティブ・ミキサは、ダイオード・ミキサのように、LO信号電力によって駆
  動するわけではありませんので、一般にLO信号電力は小さくて済みます。
   IC内で用いられているミキサは、ほぼ全部がアクティブ・ミキサです。
   図14に示すトランジスタ回路で、周波数変換の仕組みを見てみましょう。適当なバ
  イアスを加えられているトランジスタのベースとエミッタ間に、次式で表される電圧が
  加えられています。


      

          図8−14 トランジスタ回路での周波数変換


          

  トランジスタはPN接合からなっています。したがって、コレクタ電流の変化量△Icは、
  式(8)と同様の式(13)で表せます。

          

  式(13)に式(12)を代入して展開すれば、式(10)と全く同じ式が得られ、周波数変換が行
  われていることが判ります。
   FETの場合には、主に相互コンダクタンス:gmの非線形特性によって周波数変換が行
  われます.