microwave(高周波)

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はじめに

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-- その後、日本とアメリカの技術の差は縮まったと思いますか。

 エレクトロニクスの世界では、残念ながら差は縮まっていない。
 色々な論文を読むと、むしろこの40年で差は広がっていると思う。

-- その主な要因は何ですか。

 自分が好きなことをできる環境で働いていないからじゃないかな。
 技術者だけではなく、社会全体がそうかも知れない。
 上司に「あれをやれ」と命令される。与えられた仕事をそのままこなす。
 自分が好きなことをできないのだから、意欲が湧かないのも当然だと思う。

 まずは、技術者が思いっきり力を発揮できる環境を作ることが重要。
 そうすれば、日本のエレクトロニクスの未来は明るいものになると思う。

-- 『ビジョナリー・カンパニー』の話をされていましたね。
  ビジョナリー・カンパニー:「理念を掲げて変化に挑み、50年以上優良であり続ける企業」

 企業だけではなく、個人においても将来の構想(ビジョン)を持つことは
 とても重要なこと。自らのビジョンをしっかりと持ち、信じた道を真っ直ぐに突き進む。
 こういう人は成功する確率が高いと思う。そして長期に渡って活躍するはず。

 スタンフォード大学の先生が書いた「ビジョナリー・カンパニー」というタイトルの
 本が出版されているので、興味があったら読んでみてください。

 丸山さんのおすすめの本
 ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

-- これからの技術者に求められるものは何だと思いますか。

 好きなことを見つけて、それをやること。それ以外にはないんじゃないかな。
 あとは、それを会社が許すこと。人が好きなことを好きなようにやって
 悪い結果には決してならない。

 もちろん、技術者の皆さんも『自分は何をやりたいのか』を見つけてほしい。
 ただ与えられたことをやるのではなく、色々なことに興味を持って取り組めば、
 きっと、よいものができるはずだから。

 【インタビューを終えて】
 丸山さんとはセミナー関連で年に1〜2度お会いしています。
 背筋がピシッと伸びて姿勢が良く、滑舌がとても良い方です。
 なかでも一番驚かされるのは頭の回転がとても速いということ。
 もしかしたら・・、毎朝1杯飲まれているという“人参ジュース”に何か
 秘訣があるのかも知れません。 レシピを聞いて私も飲もうかな(笑)。


 文・イラスト:市川古都美

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