![]() |
記事一覧 はじめに vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6 vol.7 vol.8 |
![]() |
![]() |
|
「技術者の声」の第3回目は米本正さんにお話を伺いました。 *-*- 米本正 氏、1947年生まれ、日本ビクター株式会社でオーディオの設計に従事。 1986年から2007年まで、技術課長、技術部長、そして統括部長を務める。 -*-* -- 技術者にはどのようなタイプの方がいるのでしょうか。 そうですね、私は文系か理系かと言われれば理系ですけれども、子供の頃から ものづくりが好きだったか、根っからの技術者なのかと言えば違うと思います。 技術者でも、いわゆる“ラジオ少年”のように、子供の頃からものづくりが好きで 技術者になったタイプと、私のように音楽が好きで、少しでも音楽に携わる仕事に 就きたくて技術者になったというタイプもいると思いますよ。 -- 音楽そのものが好きだったのですね。 母の影響で幼い頃からバイオリンを弾いていたり、コーラスもやっていたので 自然と「音」に関係する仕事をしたいと思っていました。 思い出すと、スピーカーの開発に携わっていた頃は、とても楽しかったです。 -- いつ頃からマネージメントに。 20年ほど前まではテープレコーダーや電話機、情報機器の設計をしていました。 その後は、実際に設計をする立場ではなく、プロジェクトチームをマネージメント していく立場になりました。 -- なぜ、設計ではなくマネージメントの道を選択されたのですか。 電気メーカーは、純粋な専門家を必要としている一方で、 他方では、細部まではわからなくても“全体がわかる人”も必要としています。 プロジェクトが大きくなればなるほど全体をまとめることが重要になります。 できれば、全体をわかっていながらも、その中でひとつでも専門家であれば なお良いと思います。 扱う規模が大きくなると、すべてを自分1人でやることは不可能です。 1人の人間ができることは限られているので、深い知識を持っている人はひとつ の事柄に集中してしまって全体を見渡すことが難しいのかも知れませんし、 また全体を見渡す人間が細部までわかろうとすることも難しいことだと思うので、 企業にとってはどちらの人材も必要なんだと思います。 技術の進歩で、自分は専門家になるか、それとも全体をまとめる役になるか と迷ったときに、最終的には後者の道になりました。 |
|||
次へ | |||