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「技術者の声」の第7回目は石井聡さんにお話を伺いました。 *-*- 1963年生まれ.1986年に双葉電子工業株式会社に入社し,産業用無線データ 通信機器の設計・開発などに従事.1994年に技術士国家試験(電気・電子部門)に合格・登録. 2002年に横浜国立大学大学院博士過程後期(電子情報工学専攻・社会人特別選抜)修了. 2009年アナログ・デバイセズ株式会社入社.現在、同社セントラル・アプリケーションズ所属-*-* -- 現在は,どのようなお仕事をされているのですか アナログ・デバイセズ株式会社では,アプリケーション・エンジニアとして,技術者教育や社内外の技術的なサポートをしています.それと同時に,新しい半導体ビジネスのしくみを展開していく“テクニカル・ビジネス開発”という仕事もしています.テクニカル・ビジネス開発は,当社とパートナーとなる会社とを新規につないでいく仕事ですから,技術的な知識だけではなく,日ごろ技術者の方々が,どういった場面で当社の製品を必要としているか,またパートナーとなる会社がどのような技術や顧客との接点をもち,どのような方針・要求があるかといった,心理的,ビジネス的な面を理解することも求められます.技術的な知識を活かしながら,いかに新しいビジネスを展開していくか.自分にとっては新鮮で前向きなストレスを与えてくれる仕事だと思っています. そのほかには,外部団体主催のセミナー講師や書籍・雑誌記事の執筆もしています. -- 本を執筆されるときに気をつけている点はありますか 一番気をつけているのは「分りやすい日本語を書く」ということです.そのためには,形容詞がどの言葉に・どの位置でかかっているのか,また文章の前後のつながりや順番といった,文の構成が重要だと思います.例えば,翻訳本の中には,どこか不自然で分りづらい文章のものもありますよね?読んだままを日本語に訳すだけだと,どうしてもそうなってしまいます.これは「構成」が原因なんです.仕事で日本語に翻訳されたデータシートやアプリケーション・ノートの校正もしているんですけれど,翻訳文を日本語的な技術文章にするためには,自分なりのいくつかポイントがあるんです.そのひとつとしてですが,形容詞の位置を変えるだけでも,分りやすい日本語の文章になると思います. もうひとつ気をつけている点は,技術的な理論体系をどうやって読者の日常の設計や開発業務に対して,意味のある形で分りやすく伝えられるか,ということです. -- 「無線通信とデジタル変復調技術」(CQ出版)の執筆にも生かされているのですね そうですね.難しい理論体系を十分噛み砕いて,できるだけ初心者にもわかりやすい本を書こうと努力しています.それは,その後に書いた「電子回路設計のための電気/無線数学」と「合点!電子回路超入門」にもつながっています.理論的なものを実践とどのようにつなげて広げていくか.自分の技術者,筆者としての立ち位置はそこだと思っています. -- 読者の期待をプレッシャーに感じることはありますか プレッシャーとまではいきませんが,あまり簡単に書きすぎてしまうと本来の内容に適さなくなってしまうし,技術的に浅すぎて面白みがありません.逆に本格的に書きすぎると経験の浅い読者がついてこれなくなってしまいそうで,どの読者を対象に本を書いたら良いのか,それは常に自問自答していることですね. |
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