microwave(高周波)

記事一覧

はじめに

vol.1

vol.2

vol.3

vol.4

vol.5

vol.6

vol.7

vol.8

-- 仕事をする上で心がけていることはありますか。

 川上正光さん(長岡技術科学大学 初代学長)の「技術者(社会人)心得」
 1.健康,2.人物,3.独創,4.奉仕,5,6がなくて,7.学業

 私はこの言葉が好きです。技術者である前に、まずは人として立派で
 なければいけないということを言っているのだと思います。

 確かに、健康でなければ働くことはできませんよね。
 人ひとりの力には限界があるので、周りの協力を得るときに人物(人柄)が
 良くないと難しいでしょうし、良心がなければならない。
 先の2つが成り立ってはじめて、独創的な考え方や奉仕の精神が磨かれ、
 その志のもとで学業に専念することが大切なんだと思います。

-- 何かオススメの書籍は何かありますか。

 Behzad Razaviの本は,どれもお勧めです.とくに,高周波システムに興味のある
 人は「RFマイクロエレクトロニクス」は一読に値すると思います.
 Sパラメータに関する記述など,マイクロ波回路で大切な部分が書かれていない
 という大きな欠点もあるのですが,システムを考える上では大変参考になる本だと
 思います.

 あとは、電子工学ではないんですけど、マット・リドレーという人が書いた
 「やわらかな遺伝子」という本が結構面白いですよ。

-- 日本でこういう専門書があれば良いなというのは。

 そうですね・・、アナログICのレイアウトの本があると良いですね。
 マイクロ波もそうですけど、集積回路でも実際の設計で使えるような内容が
 書かれた本というのはあまり見かけません。

-- 今後の目標はありますか。

 10年後の目標は、お嫁さんをもらって田舎でひっそりと暮らしたいです(笑)

 大きな目標は・・、大きすぎてあまり人には言ったことはありませんが「基金」
 を作れたら幸せだろうなと思います。自分自身、高専・大学では奨学金や授業料
 免除を受けて勉強をしていたので、技術者になりたいけれども家庭の事情で諦め
 なければならないという人たちに、援助をできるぐらいの人間になれれば嬉しい
 ですね。目標と言うよりも夢に近いですね。

 【インタビューを終えて】
 若手で実力派の川田さん。同年代と言うこともあり話も弾みました。
 「技術者心得」のお話を伺い、専門書を読み電子回路の勉強をしたり、
 様々な回路に触れて経験を積む前に、人として立派であることの方が
 はるかに重要だと教えられたような気がします。


 文・イラスト:市川古都美

前へ